食品放射能調査第8回目

記事 - 2012-10-25
食品流通の中で広がる放射能汚染を調査するため、スーパーマーケットで抜き打ち調査を行いました。 この調査で検査した食品の購入は、ボランティアの市民調査員の方がご協力下さいました。みなさまありがとうございました。

放射能測定室 シルベク 食品放射能調査
8回目:魚介類

調査結果

すべての検査結果と商品情報
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第三者機関からの検査結果報告書>>

20サンプル中1サンプルから、1キログラムあたり12.6ベクレルの放射性セシウム(セシウム134+137)が検出されました。
商品情報は下記のとおりです。

  • 購入場所:イトーヨーカドー 湘南台店
  • 商品:宮城県産 カツオ

調査内容

  • 調査期間: 2012年9月4日~24日
  • 対象: 合計 20サンプルの鮮魚
  • 太平洋側で漁獲された天然魚、18サンプル
  • 養殖魚、2サンプル
  • 購入場所: 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の大手スーパーマーケット5社(イオン、イトーヨーカドー、ユニー(アピタ)、ダイエー、西友)の店舗
  • 検査方法: 第三者機関で、ゲルマニウム半導体検出器を用いてヨウ素131、セシウム134、セシウム137について検査

グリーンピースの提案

現在、政府や自治体によるスクリーニング検査は「主要漁港で週に一度」程度でしか行われておらず、政府の定める「食品に含まれる放射性セシウムの基準値(一般食品では1キログラムあたり100ベクレル)」が流通基準となっています。
これでは汚染された魚の流通を完全に防ぐことは困難です。

また、検査結果が消費者に分かりやすく公表されていないことから、多くの消費者は依然として魚を食べることに対して不安を抱えています。

さらに、牛肉では実現しているトレーサビリティー体制(いつ、だれが、どこで生産し、どのような経路で流通したかを追跡することができる仕組み)が魚介類で確立されていないことが、消費者の不安を払しょくできないことに拍車をかけています。


© Jeremy Sutton-Hibbert/Greenpeace

消費者の不安を解消することが、漁業復興の実現に必要不可欠です。そこで、グリーンピースは下記3つの取り組みを提案します。

  1. 汚染された魚介類の流通を防ぐ
    魚介類が水揚げされる漁港は流通のスタートです。
    すべての漁港でより多くの検査が実施されることが必要です。
  2. 魚介類のトレーサビリティー体制をつくる
    スーパーや回転寿司などに並ぶ魚介類が、いつ、どこで、誰によって獲られたか、そしていつ、誰が、どのように流通したかを追跡できる流通システムをつくる必要があります。
  3. 安心して買い物ができるような情報を提供し、風評被害も防ぐ
    「1キログラムあたり○○ベクレル」という具体的な数値に加え、実際にその魚が獲られた海がどこなのかが表示されることで、消費者は自身の基準と照らし合わせて魚を選ぶことができます。

もちろん、二度と同じ被害を生まないよう、一刻も早く原発依存から脱却し、自然エネルギーへとシフトする政策が必要とされています。

グリーンピースの今後の活動

  • 消費者と一緒に、大手スーパーで販売される魚介類の抜き打ち検査を継続します。
  • 地元の漁業者と協力し、魚介類に含まれる放射性物質の調査を計画的に継続します。
  • すべての調査結果を、消費者に分かりやすく発表します。
  • 消費者と一緒に、安心して買い物ができる情報が提供されるよう、大手スーパーに交渉します。
  • 日本政府に対して、検査の強化やトレーサビリティーの体制づくりを急ぐよう交渉します。

私たち消費者ができること

グリーンピースでは、魚と海と私たちをつないでくれる漁業・水産業をサステイナブル(持続可能)にするための新しいプロジェクト『ママうみ』を開始しました。

あなたも『ママうみ実行委員会』にメンバー登録して、いつも魚介類を購入するスーパーマーケットやさかな屋さん、そして子どもたちが大好きな回転寿司店に、魚介類の安全性や漁獲海域に関する取り組みについて質問してみませんか?
調査結果はグリーンピースが集計してウェブサイトなどで公開します。ママうみ実行委員会について詳しくは、こちらをご覧ください >>

さらに、寄付で調査を支えましょう!
グリーンピースが行う調査やその他の活動は、全て市民のみなさまの寄付で行っています。
一人一人のご寄付が、安心な食へとつながります。
ぜひ、ご寄付でご参加ください。 寄付はこちらから >>

 

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