こんにちは、エネルギー担当の高田です。


「原発これからも使っていたいですか?」
政府では、いま2030年までの日本のエネルギー政策について、国民の意見を募集中(パブコメまたはパブリックコメントと言います)。

政府は7月いっぱいで「国民の議論を尽くして」、8月には原発のこれからの運命を決定すると言っています。

この議論にご注目を――。
原発を止めるためには、あなたのパブコメが必要です。


■ 政府のねらいは原発温存方針?!


この議論、正式名を「エネルギー環境に関する選択肢」と言い、内閣府の国家戦略室にある「エネルギー・環境会議」が担当。

2030年の原発利用比率によって、下記の3つの候補が政府案として示されています。

【表: 2030年の日本の発電に占める各電源の割合】
*核燃料サイクルとは、六ヶ所村再処理工場や高速増殖炉もんじゅを使って使用済み核燃料を処理すること。再処理工場やもんじゅは、原発以上に放射能汚染の危険性が高く、トラブルや事故も相次いでいます。

脱原発
(ゼロシナリオ)
 

意志を持って原発をゼロにする
原発0%、自然エネ35%、火力65%
(核燃料サイクル* は → やめる。使用済み核燃料は直接処分)

原発温存
(15シナリオ) 

原発の比率を減らし、その後どうするかは自然エネや原発安全強化の取り組みの成果によって決める
原発15%、自然エネ30%、火力55%
(核燃料サイクルは → 再処理も直接処分もありうる) 
 
原発推進
(20-25シナ リオ)     


原発の比率をやや減らすが、意志を持って一定割合使い続ける
原発20~25%、自然エネ25~30%、火力50%
(核燃料サイクルは → 再処理も直接処分もありうる)  

ここでポイントは2つ。

 1)  これは2030年時点の話しです
→ たとえ「脱原発」(ゼロシナリオ)だとしても、「いったん多くの原発を再稼働させて2030年前に止める」ことも可能です 
→ 「原発をいつ止めるのか」が重要です
原発をいつ止めたいか(すぐ止めたい方は「今年」と)意見をだしましょう


2) 「じゃ、真ん中をとって『15シナリオ』にします」
→ これだと「原発温存」に
なってしまいます 
→ 古い原発を使わない(40年廃炉)、福島第1・第2原発を使わない、浜岡など地震リスク大の原発を使わない、原発を新しくつくらないを守ると、2030年の原発の発電量は最大でも10%程度しか見込めません 
→ なのに15%ということは・・・?


さらに、
節電が20年間で10%しか改善しない前提になっており、しかも、どのシナリオでも一律10%とされています。
20年間で節電が10%しか進まない・・・ほんとでしょうか?

2011年夏には、緊急時ではありましたが、東京電力管内は14%節電を記録しました。
そもそも、今後20年間で日本の人口は1000万人減少しますが・・・(政府統計局予測)


また、
原発率が少ないシナリオほど、二酸化炭素(CO2)の排出が多くなると示されています。
・・・ほんとうでしょうか?
グリーンピースは、原発は温暖化対策として危険で高い時間のムダと考えています(詳しくは:『原発は地球温暖化の抑止にならない』



8月には原発のこれからの運命が、私たちの意見をもとに決まってしまいます。

パブコメで意見を書いてだし、気持ちを政府に届けましょう。

そして、届けた意見が野田首相に無視されることのないよう、たくさんのひとがパブコメを出すようにクチコミしましょう。
原発がどうなるかの運命は、私たちの声とクチコミパワーにかかっています。 


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