こんにちは。

 

ネオニコチノイド系農薬と並んでハチ大量死との関連が指摘されてきた「フィプロニル」という農薬。

この農薬に種を浸す「種子処理」の一部禁止が去年の12月31日からEU加盟国全体でスタートしていたのですが、今月(3月)からさらに、処理された種子をまくことも規制がはじまりました!

フィプロニルもネオニコチノイド系農薬と同様に植物に浸みこむ性質をもつ「浸透性農薬」の一つ。EU加盟国では、ハチを保護するために、ネオニコチノイド系農薬3種(クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム)の使用禁止が2013年の12月1日から始まったのに続いて、12月31日からフィプロニルの種子処理の規制がはじまりました。

 

そして3月からは、すでに処理されていた種子を播くことも禁止になりました。

種子処理したトウモロコシとヒマワリは、EU加盟国ではもう播くことができません。

露地で栽培する作物も、花が咲いてから収穫される農作物は種子処理されたものは播けません。

 

この規制にはまだ、花の咲く前に収穫する作物や、温室の中のみで育てるものは例外的に種子処理を認めるなど、抜け穴も多くありますが、ミツバチへの影響を深刻にとらえ、解決に向かおうとするステップをEUは踏み出しています。

農薬会社の利益よりもミツバチの保護、ひいてはミツバチが支える農業生産や食を支えることをEU諸国は優先したといえるでしょう。

日本でもフィプロニルは稲の育苗箱で使われ、殺虫作用が強いことから、赤とんぼなどの昆虫類減少の原因としても指摘されています。

フィプロニルは農薬としてだけではなく、ペットのノミ駆除、アリ駆除、ゴキブリ駆除などの家庭内殺虫剤としても使われているので、みなさんも知らずに使っていることがあるかも知れません。たとえばペットのノミ駆除としてポピュラーな「フロントライン」という商品もフィプロニルを使用しています。

でも、日本では、ネオニコチノイド系農薬のミツバチへの影響さえ、農林水産省は正式に認めようとしません。2016年まで調査をすると言っていますが、今どのような調査データが集まっているか、なども非公開です。

食と農業の安全や安定のために、 農薬の使用の是非がどのように判断されているか、もっと透明性がなければなりません。

 

【お知らせ】

明日、3月7日、グリーンピースは、他4団体とともに農林水産省にネオニコチノイド系農薬クロチアニジンの残留基準引き上げ撤回を求めるため、皆さんからお寄せいただいた署名+メッセージの提出と交渉に行きます。

 

交渉の報告はブログでご報告します。