こんにちは、海洋生態系担当の花岡和佳男です。

お魚好きの皆さん、またもや朗報です! 見つけましたよ、「ベクレルフリー」&「サステナブル」なシーフードの販売に力を入れ、店頭でお客さんとのコミュニケーションを大切にするスーパーマーケット!!

東京・世田谷区の桜新町で今年1月にオープンしたばかりの、「ナチュラルフーズ・マーケットここはな」というスーパーで、近所のママさんを中心に「あそこなら大丈夫」「安心して買い物できる」と大人気なのだとか。魚介類流通関係者の知人に紹介してもらい、早速行ってきました。

 

ベクレルフリーへの取り組み

お店に入って足を進めると、ひときわ多くのお客さんで賑わっているのは、店舗の一番奥にある鮮魚コーナー。目に付くのは、商品棚のいたるところに貼ってある放射性物質検査証明書です。店長曰く「消費者の声に応えたい、お客さんに安心して買い物してほしい」と、下限値1kg当たり1ベクレルで検査をしているとのこと。今後はその情報公開の方法をより消費者に分かりやすい形にさせていくそうです。もちろん鮮魚の産地はしっかり表示されてあり、当然、回遊性魚種にかかる水域区分図も掲示されてありました。

大手スーパーの多くが消費者を軽く見て公開する情報を限定し「放射能なんてもう忘れよう」という雰囲気すら作って店内に充満させているのとは大違いですね。

 

サステナビリティの担保へ向けて

「ここはな」で更に胸を躍らせたのは、鮮魚棚の中心に掲げられていた「お客様との5つのお約束」ボードでした。このボードに書かれてあるように、「ここはな」では「安心、安全を追求」し、「海洋汚染や生態系攪乱」の要因を避け、「資源再生可能な漁業、持続可能な水産業の実現」のために漁法を選んでいます。マグロは成魚のみを調達しているとのことで、ウナギも絶滅危惧種は取り扱っていませんでした。私がこのお店を訪れた日も、資源管理をされた魚を積極的に調達していました。店長曰く、資源管理された魚の市場成長への協力をしたいとのこと。

缶詰や練り製品等の加工品においても、薄利多売の代表格とも言えるナショナルブランドが一つもおいていないことに驚きでした。いま海にあるモノを獲り尽くし売り尽くすのではなく、いかにして限りある資源の採取をコントロールして売り続けることができるか、大手スーパーも「ここはな」を見習って早く方向転換をする必要がありますね。

 

大切なのは「消費者の声」

ベクレルフリーやサステナビリティの追求は、「ここはな」が「消費者の声」に真摯に向き合い応える姿勢の表れです。こんな安心できるスーパーが職場や家の近くにあったらいいですよね。皆さん、普段利用するスーパーにぜひ「消費者の声」を届けて成長を応援しましょう。たくさんの声が集まれば、スーパーはそれをビジネスチャンスだと捉えるようになります。 グリーンピースでは、「未来に魚を残すため、放射能汚染、乱獲、違法漁業の魚を売らないで」とするオンライン署名を展開中。ここに寄せられる「消費者の声」を国内スーパー大手5社と業界団体に届けます。ぜひ参加してください。

グリーンピース・ジャパン

ライターについて

グリーンピース・ジャパン
グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界中の300万人以上の人々からの寄付に支えられ、企業や政府、一般の人々により良い代替策を求める活動を行っています。ぜひ私たちと一緒に、行動してください。

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