こんにちは。核/エネルギー担当の鈴木かずえです。

 

プルトニウムMOX燃料輸送準備中!

福島原発事故から、もうすぐ2年。放射能の放出は止まっておらず、いまだに16万人もの人々が避難生活を強いられています。その中、フランスでは、日本に送るためのプルトニウム入り核燃料「MOX燃料」(モックス燃料)の輸送が準備されています。

実は、2011年春にも、東京電力福島第一原発3号機(32体)、中部電力浜岡原発4号機(30体)、関西電力高浜原発3号機(20体)に使用するプルトニウムMOX燃料の輸送が計画されていましたが、福島原発事故が起こったために中止になっています。

 

関西電力高浜原発用...?

そのため、今回の輸送は福井県の高浜原発用である可能性がありますが、関西電力は「燃料の輸送は調整中としか言えない」と述べています。

そもそも、高浜原発にせよ、他の原発にせよ、再稼働の見通しはたっていません。今年の7月に新しい規制基準が定められ、その基準にのっとって対策がとられ、再稼働の可否について審査を受けることになっています。

 

プルトニウムMOX燃料輸送の必要は全くなし

この燃料を製造したのは仏アレバ社。工場からシェルブール港までは下の写真のようなトラックで輸送されます。

 

フランスでは、すでにプルトニウムMOX燃料輸送中のテロ攻撃を想定した警護訓練が行われ、イギリスのバローインファーネス港に係留されているPNTL社所有の英国船籍の核燃料輸送船「パシフィック・ヘロン」と「パシフィック・エグレット」は、4月上旬にもフランスのシェルブール港まで移動し、プルトニウムMOX燃料を積み込み、日本に向けて出港すると見られています。(写真はパシフィック・ヘロンとパシフィック・エグレット:提供 CORE 環境の放射能汚染に反対するカンブリア人の会)

核燃料の輸送には危険が伴います。海上で事故が起きれば、陸上の原子力施設よりコントロールが難しいことは言うまでもありません。

不必要な核燃料の輸送のために、海に、周辺国に、リスクを押し付けるべきではありません。

今、日本政府と電力会社が全力を傾けなければならないのは事故の収束であり、被害者の保護です。プルトニウムMOX燃料の輸送をする余裕はないはずです。

このプルトニウムMOX燃料は、理論上、日本の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムで作られたものです。(理論上というのは、フランスでは自国などの使用済み核燃料からのプルトニウム取り出しもしているので、“絶対に”日本の使用済み核燃料からのプルトニウムだと証明はできないからです)

日本は、国内の原発から出る使用済み核燃料をイギリス、フランスに送って、プルトニウムを取り出してもらってきました。その過程で出た高レベル放射性廃棄物は別途、日本に送り返されて、青森県六ケ所村の高レベル放射性廃棄物貯蔵施設に保管されています。高レベル放射性廃棄物以外にも中レベル、低レベルその他の放射性廃棄物が再処理によって生み出されていますが、イギリス、フランスに置かれたままになっています。

 

 

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http://www.greenpeace.org/japan/ja/Action/fukushima2013/